と ついばみて りょうちゅう を さく
災いは小さいうちにのぞかないと大変なことになる
木食い虫が木を食って、ついには梁(はり)や柱まで食い破(やぶ)る。
1.禍(わざわい)は小さいうちに除かないと大変なことになるということ。
出典:「淮南子-人間訓」「故蠹啄剖梁柱、蚊虻走牛羊、此之謂也」
2.小さいものが大きいものを制することの喩え。
類:●蚊虻も牛羊を走らす
出典:「説苑-説叢」「蠹エン[虫+彖]啄仆梁柱、蚊虻走牛羊」
黙に過言なく愨に過事なし
もく に かげん なく かく に かじ なし
言葉には十分気を付けなければならないという教え
淑慝を旌別して、その門閭を表す 28-01-31 ●
しゅとく を せいべつ し,その もんりょ を あらわす
良し悪しを分けて、それを門に表す
「シュクトク( 淑慝 )を旌別して、その門閭を表す」 (注)シュクトク:良し悪し。良否・善悪。
<参考>「旌別」の「旌(セイ)」は「ほめる」「あらわす」意。「旌(ショウ)」だと、「はた」の意で「旃旌(センショウ)」など・・・。
miCoのゲーム日記 より
六韜 盈虚第二
文王問太公曰、天下熙熙、一盈一虚、一治一亂。所以然者何也。其君賢不肖不等乎。其天時變化自然乎。太公曰、君不肖、則國危而民亂。君賢聖、則國安而民治。禍福在君、不在天時。文王曰、古之聖賢、可得聞乎。太公曰、昔者、帝堯之王天下、上世所謂賢君也。文王曰、其治如何。
太公曰、帝堯王天下之時、金銀珠玉不飾、錦繡文綺不衣、奇怪珍異不視、玩好之器不寶、淫佚之樂不聽、宮垣屋室不堊、甍桷椽楹不斲、茅茨徧庭不剪。鹿裘禦寒、布衣掩形。糲粱之飯、藜藿之羹、不以役作之故、害民耕織之時。削心約志、從事乎無爲。吏忠正奉法者、尊其位、廉潔愛人者、厚其禄。民有孝慈者、愛敬之、盡力農桑者、慰勉之、旌別淑慝、表其門閭。平心正節、以法度禁邪僞、所憎者、有功必賞、所愛者、有罪必罰。存養天下鰥寡孤獨、賑贍禍亡之家。其自奉也甚薄、其賦役也甚寡。故萬民富樂、而無飢寒之色、百姓戴其君、如日月、親其君、如父母。
文王曰、大哉、賢徳之君也。
文王、太公に問うて曰く、
「天下熙熙として一盈一虚、一治一乱す。然るゆえんの者は何ぞや。それ君の賢不肖の等しからざるか。それ天の時の変化の自然なるか」
太公曰く、
「君、不肖なれば、すなわち国危うくして民乱る。君、賢聖なれば、すなわち国安くして民治まる。禍福は君にあり、天の時にあらず」。
文王曰く、
「古の聖賢、聞くを得べきか」。
太公曰く、
「昔者、帝堯の天下に王たるや、上世のいわゆる賢君なり」。
文王曰く、
「その治、いかん」。
太公曰く、
「帝堯の天下に王たりし時、金銀珠玉は飾らず、錦繡文綺は衣ず、奇怪珍異は視ず、玩好の器は宝とせず、淫佚の楽は聴かず、宮垣屋室は堊せず、甍桷椽楹は斲らず、茅茨は庭に徧けれども剪らず。鹿裘、寒を禦ぎ、布衣、形を掩う。糲粱の飯、藜藿の羹、役作のゆえをもって、民の耕織の時を害せず。心を削り志を約し、事に無為に従う。吏の忠正にして法を奉ずる者は、その位を尊くし、廉潔にして人を愛する者は、その禄を厚くす。民の孝慈ある者は、これを愛敬し、力を農桑に尽くす者は、これを慰勉し、淑慝を旌別して、その門閭に表す。心を平らかにし、節を正しくし、法度をもって邪偽を禁じ、憎むところの者も、功あれば必ず賞し、愛するところの者も、罪あれば必ず罰す。天下の鰥寡孤独を存養し、禍亡の家を賑贍す。そのみずから奉ずるやはなはだ薄く、その賦役やはなはだ寡し。ゆえに万民富楽にして飢寒の色なく、百姓その君を戴くこと日月のごとく、その君に親しむこと父母のごとし」
文王曰く、
「大なるかな、賢徳の君たるや」
人古今に通ぜざれば馬牛にして襟裾す 符読書城南
人(ひと)古今(ここん)に通(つう)ぜざれば馬牛にして襟裾(きんきょ)す
28-01-31
28-01-31
学問を身に着けていて初めて人間としての資格があるということ
故事ことわざの辞典によれば「人間であっても、無学で古今のことに通じていなければ、馬や牛が着物を着ているのと同じである。学問を身につけて始めて人間としての資格があるということ。」
ばぎゅう-きんきょ【馬牛襟裾】
- 馬牛襟裾 意味
- 学識のない者、礼儀知らずな者をののしっていう語。馬や牛が人の衣服を着たようなものという意から。▽「襟裾」はえりとすそ。転じて、衣服を着ること。
- 馬牛襟裾 出典
- 韓愈かんゆ「符ふ、書しょを城南じょうなんに読よむ」(詩)
良匠も金を斲る能わず、巧冶も木を鑠かす能わず 淮南子
良匠(りょうしょう)も金(きん)を 斲る (けずる) 能(あた)わず、巧冶(こうや)も木(き)を鑠(と)かす能わず
どのようにしても者の本質は変えることができない
どんな名工でも、金を削ったり木をとかすことはできない。
どのようにしても物の本質は変えることができないというたとえ。
琥珀は腐芥を取らず 三国志
觥飯は壷飧に及ばず 28-01-31
觥飯(こうはん)は壷飧(こそん)に及ばず
「觥飯」は、盛大なごちそう。「壷飧」は、食器に盛った汁かけ飯》 空腹で我慢し切れない時は、時間をかけてつくられる立派なご馳走よりも、粗末でもすぐに食べられる食事の方が優る。火急の際には、整っていなくとも手早い方がよいということのたとえ。
急ぎの際には、整っていなくとも手早い方が良い
p.188
漢字源 より
漢検辞典を使って勉強していたが,漢検辞典は何か読み応えがないし,物足りなさを感じていた.実際にここから,漢検1級の問題が出ている訳ではない.ここに出ていないものも沢山出題されている.広く用例を探る必要を痛感して,漢検辞典以外の辞典を求め,私としてはこの漢字源に辿り着いた.
富而し求むべくんば執鞭の士と雖も吾亦之を為さん 論語
富(とみ)にして求むべくんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾(われ)亦(また)これを為(な)さん
正当な手段でお金を得るならば職業の貴賎は問題ではない
ちょんまげ英語日誌 より
孔子の論語の翻訳161回目、述而第七の十一でござる。
漢文
子曰、富而可求也、雖執鞭之士、吾亦爲之、如不可求、從吾所好。
子曰、富而可求也、雖執鞭之士、吾亦爲之、如不可求、從吾所好。
書き下し文
子曰わく、富(とみ)にして求むべくんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾(われ)亦(また)これを為(な)さん。如(も)し求むべからずんば、吾が好む所に従わん。
子曰わく、富(とみ)にして求むべくんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾(われ)亦(また)これを為(な)さん。如(も)し求むべからずんば、吾が好む所に従わん。
現代語訳
孔子がおっしゃいました、
「もし正当な手段で富が手に入るならば、私は鞭を使って人々を追い払う露払いの役をしても良い。でなければむしろ自分の好きな生き方をしたい。」
孔子がおっしゃいました、
「もし正当な手段で富が手に入るならば、私は鞭を使って人々を追い払う露払いの役をしても良い。でなければむしろ自分の好きな生き方をしたい。」
Translated by へいはちろう
執鞭(しつべん)とは高貴な人の列が道を行く時などに鞭をもって人々を追い払って道を空ける役目でござる。日本の大名行列などで「下にぃ、下に」と言って道を空ける露払いと同じでござるな。高貴な人のために露払いをするということは必然的に身分が低い者の務めなので、少なくとも君子の役目では無いとされていたのでござろう。
孔子は正当な手段でお金を得るならば職業の貴賎は問題ではないとおっしゃっているのでござる。そして同時に不正な手段でお金を得る事を戒めているのでござるな。
韋巣の悔い 28-01-31 ●
韋巣(いそう)の悔(く)い
住居が不安定なため、心配なこと
住居の不安定なための心配のこと。水辺の葦に巣をつくる鳥が、風や水でいつも危険にさらされた生活をしている事からいう
聖人は鶉居して鷇食す
聖人は鶉居(じゅんきょ)して鷇食(こうしょく)す
「鶉居」は、うずらの巣。うずらは巣が定まらないといわれるところから、住居が一定しないこと。「鷇食」は、ひな鳥が親鳥から餌を与えられるように、食に満ち足りて何の不自由もないたとえ
聖人は放浪してしかも生活に満足する。聖人は、物事にとらわれることなく自由に行動して、俗世の煩いを受けることがないということ。
叢蘭茂らんと欲し秋風之を敗る 帝範 28-01-31
叢蘭(そうらん)茂(しげ)らんと欲(ほつ)し 秋風(しゆうふう)之(これ)を敗(やぶ)る
立派な人物が小人に邪魔されて、力を発揮できない
《「帝範」去讒から》芳香を放つ蘭の群生が繁茂しようとするが、冷たい秋風が枯らしてしまう。小人のさまたげによって、りっぱな人が力を発揮できないことのたとえ。
甘棠の愛 詩経
かんとうのあい
人民が立派な為政者にを心から慕うこと
今日の四字熟語 より
立派な為政者に対して、国民の敬愛の情が深いことのたとえをいった四字熟語です。
【甘棠】は、バラ科の果樹「やまなし」の類といわれてます。
周の宰相・召公(ショウコウ)奭(セキ)は、甘棠の木の下で憩い、人民の手間を取らせまいとして、そこで訴訟などを聞いたことから、人民にしたわれるようになったそうです。
そのことが、『詩経』召南の「甘棠」と題する詩として残っています。
蔽芾(ヘイハイ)たる甘棠は、
こんもりと茂った甘棠の木。
翦(き)る勿(なか)れ、伐(き)る勿(な)かれ
剪ってはならぬ、伐ってはならぬ。
召伯の茇(やど)りし所
召伯さまが茇(やど)られたところ。
蔽芾たる甘棠は、
こんもりと茂った甘棠の木。
翦る勿れ、敗(そこな)ふ勿かれ
剪ってはならぬ、傷つけてはならぬ。
召伯の憩(いこ)ひし所
召伯さまが憩(やす)まれたところ。
蔽芾たる甘棠は、
こんもりと茂った甘棠の木。
翦る勿れ、拜(ぬ)く勿かれ
剪ってはならぬ、抜いては成らぬ。
召伯の説(やど)りし所
召伯さまが説(やど)られたところ。
詩に残る程、人々に慕われた召公は、よほど立派な為政者だったのでしょう。
他の為政者は、詩に残っていないということから察しますに、それほどでもなかったというところなんでしょうか。
宮城谷昌光さんの『侠骨記』の「甘棠の人」は召公奭を題材にしています。
八重樫 一 (やえがし・はじめ) 著
漢検1級に30回合格した強者だ
父母に事うるには幾諫す 論語
ふぼに つかえては きかんす
万一父母に間違いがあったら、穏やかに諫めるのが良い
子曰。事父母幾諫。見志不從。又敬不違。勞而不怨。
父母に事えては幾諫す。志の従わざるを見ては、又敬して違わず。労して怨みず。
読み方「ふぼに つかえては きかんす。こころざしの したがわざるを みては、また けいして たがわず。ろうして うらみず。」
- 幾諫 … それとなくいさめること。「幾」は古注・新注ともに「微なり」と解釈している。
- 見志不従 … 父母の気持ちが、こちらの諫めに従いそうにないようであれば。「志」は気持ち。
- 敬不違 … 敬意を払って、その気持ちに逆らわない。皇侃おうがん
本では「敬而不違」に作る。 - 労而不怨 … 苦労させられても文句を言わない。「労」は労苦。四部叢刊初篇所収正平本・縮臨本では「労不怨」に作る。
- 宮崎市定は「父母に意見するには遠まわしに言うものだ。言うことが聞きいれられなくても、そっとしておいて反抗するな。そのためいやな用事ができても不服そうな顔をするな」と訳している(論語の新研究)。
- 下村湖人(1884~1955)は「先師がいわれた。父母に仕えて、その悪を黙過するのは子の道ではない。言葉をやわらげてそれをいさめるがいい。もし父母がきかなかったら、いっそう敬愛の誠をつくして、根気よくいさめることだ。苦しいこともあるだろうが、決して親をうらんではならない」と訳している(現代訳論語)。
琥珀は腐芥を取らず 三国志
こはくはふかいをとらず
清廉潔白なものは悪事に手を付けない
清廉潔白な人物は不正付議を身に近づけない、不正な金や物には手を触れないことのたとえ。
また、どのようなときにも、身の潔白を保ち、信念を曲げないことのたとえ。
琥珀は塵を吸い付ける性質があるが、汚れたゴミまでは吸い付けないという意味から。
「琥珀」地質時代の樹脂類が地中に埋没して化石となった物。「腐芥」腐ったゴミ。
羅綺千箱一暖に過ぎず 世説新語 28-01-31
らきせんばこ いちだん に すぎず
善い着物がたくさんあっても、着るのは一枚だけである
羅綺千箱(らき せんばこ)
意味のない贅沢のこと。
「羅」は透けて見えるほどに薄い絹織物、「綺」は細やかな綾文様のある絹織物のことで、どちらも美しく高価な布のこと。
高価で美しい絹織物の衣服を、千箱の衣装箱に収まらないほどにあっても、一度に一着しか着ることはできないということから、無駄な贅沢を戒める言葉。
「羅綺千箱一暖に過ぎず」を略した言葉。
天涯比隣の若し 杜少府之任蜀州
天涯(てんがい) 比隣(ひりん)の 若(ごと)し
遠くにいても心は常に通って親しく思われる
遠い所にいても心は常に通っていて、隣に住んでいるのと同じように親しく思われる。
てん‐がい【天涯】
cf)
原典
海内存知己(かいだい ちきを そんすれば)
天涯若比隣(てんがいも ひりんの ごとし) 『世界に理解し合っている友がいる、天の果ても隣のようだ』 海のいたるような広大な世界のあちこちに友たちがおり、遠くに離れているお互いが傍にいるのかような感じを指します。たとえ遠くて離れても、心は軒続きの隣同士のように密接に結ばれているという気持ちなんです。 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1256837367
ひ‐りん【比隣】:
軒を並べる隣家。近隣。
身を立つるは孝悌を以て基と為す 28-01-31 ● みをたつるは こうていを もって きと なす
こう‐てい〔カウ‐〕【孝×悌/孝弟】
父母に孝行で、兄によくしたがうこと。「―は仁を為すの本」
江河は漏卮を実たす能わず 淮南子
江河(コウガ)は漏卮(ロウシ)を実(み)たす能(あた)わず
長江や黄河でも、水の洩れる杯を満たすことはできない
cf) 玉卮:ぎょくし:美しいさかずきのこと
箕裘の業を継ぐ 礼記
ききゅうの ぎょうを つぐ
祖先以来の業を継ぐ、家業を継ぐ
き‐きゅう〔‐キウ〕【×箕×裘】
父祖の業。また、その業を継ぐこと。「箕裘を継ぐ」
[補説]よい弓職人の子は、父の仕事から柳の枝を曲げて箕(み)を作ることを学び、よい鍛冶屋(かじや)の子は、金鉄を溶かして器物を修繕する父の仕事から獣皮をつぎ合わせ裘(かわごろも)を作ることを学ぶという「礼記」学記の文による。
棄灰の刑 韓非子
きかいのけい
刑罰が厳しすぎる
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