2016年1月10日日曜日

故事成語強化のための新たなお勉強  3

河は委蛇を以て故に能く遠し   説苑

河(かわ)は委蛇(いい)を以(もっ)て故(ゆえ)に能(よ)く遠(とお)し

河は地勢に従って流れるから、遠くまで行くことができる

《「委蛇」は、うねうねと曲がるさま。川は曲がりくねって流れるから遠くまで達することができる、という意で》 大きな事業を成し遂げるには、あせって一直線に進もうとしてはならないというたとえ。

委蛇は「いい」と読むのか。漢検漢字辞典にも掲載されているなあ。参考として、「いだ」とも読むと書いていますね。  OCTAVE

参考
委蛇
1) い‐い〔ヰ‐〕【委蛇】
[ト・タル][文][形動タリ]曲がりくねって長々と続くさま。いだ。「委蛇として続く坂道」

2) い‐だ〔ヰ‐〕【委蛇/××迱】
[ト・タル][文][形動タリ]くねくねと曲がっているさま。いい。「―たる小径」




屋烏の愛   尚書大伝

オクウ ノ アイ

その人を愛すれば、その人の周りの物も可愛くなる

《「説苑(ぜいえん)」貴徳から》人を深く愛すると、その家の屋根にとまっている烏(からす)にまで愛がおよぶようになるということ。愛情の深いことのたとえ。



屋漏に愧じず   中庸

おくろう に はじず

独りを慎んで天に恥じる行いをしない

【解説】人の目につかない場所でも身を慎み、見られて恥ずかしいような行いをしないこと。
「屋漏」は部屋の北西の隅。家の最も奥まった所、または人に見られない所の意味。「愧じず」は「恥じず」と同じ。
【出典】詩経。
類義語君子は独りを慎む





会稽の恥   史記

かいけいのはじ



戦に敗れた恥辱・心に刻んで忘れない恥

cf) 

会稽の恥を雪ぐ
かいけいのはじをすすぐ







敗戦の屈辱を晴らすこと、また名誉の回復をいう。
 中国春秋時代、越(えつ)王勾践(こうせん)が呉(ご)王夫差(ふさ)と浙江(せっこう)省紹興(しょうこう)市の南方に位置する会稽山に戦い、そこで包囲されてやむなく屈辱的な講和を結ぶという辱めを受けた。これが「会稽の恥」である。
 その後、勾践は賢臣范蠡(はんれい)の助力を得るとともに、つねに苦い胆(きも)を部屋の中に掛けて置き、それを嘗(な)めてはこの辱めを思い出すなど、非常な苦心を重ねて20年、みごとに夫差を破って名誉を回復した、と伝える『史記』「越世家」の故事による。[田所義行]


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