平成23年第1回
当て鏝(ごて)なしに左官は出来ぬ
《「当て鏝」に「当て事」をかけて》鏝がなければ壁塗りの仕事ができないように、当て事(目的)を持たなくては何事もできない。
裘葛(きゅうかつ)を易(か)・える
冬と夏を経過する。1年の月日が過ぎる。
きゅう‐かつ〔キウ‐〕【×裘葛】
1 皮衣と葛(くず)かたびら。冬の衣と夏の衣。
2 寒暑の移り変わり。1年間。
二卵を以て干城の将を棄つ(にらんをもってかんじょうのしょうをすつ)
有為な人材の小さな過去の欠点をとがめ立て、その貴重な人物を失うこと。
衛(えい)の国主が将として有能な才を持つ苟変(こうへん)を、「役人時代に人民から二個の卵を徴収したことがあるので、有為な者ではあるがその理由で採用しない」といった時、子思が「人を用いるには長所を見て短所は見捨てるのがよい君主である」と教えた故事。
語:干城=干(たて)と城。国を守護する武人。
時は戦国時代、孔子の孫の子思が衛公に使えていたとき、苟変という男を大将に任用すべし、と推薦した。
これに対し衛公は“苟変は以前に役人であったとき、人民に割りあてて一人当たり鶏卵二個づつも
取り立てて食べたことがある、そのような人間に大将を命ずるわけはいかぬ”と反対した。
これに対し子思はこうのべた“聖人が人を用いるやり方は、ちょうど大工が材木を用いるようなもので
役に立つところを取って用い、役にたたぬところは捨てる”。人間を用いる場合も同じ。長所を用いて短所は捨てる、
ということに徹底すればよいのである。
今の世は、喰うか喰われるかの戦国の世にわずか玉子二個のために
国を守る将を棄てようとしている。このような不見識なことは隣国に知られないようにしなければならないと。
これは私の銀行時代の話
一人の銀行員がいた。
あだ名は頑ちゃん、人の道に反したことについては一歩も譲らぬ頑固一徹という意味で、
不正については妥協も許さぬ頑固者であった。そのため小さな支店を転々として、年を重ねていた。
銀行の幹部としても触らぬ神にたたりなしの気持ちで頑ちゃん支店長を扱っていたに違いない。
時は終戦直後の銀行預金は、封鎖か一部生活資金のみ自由としてあった。
もちろん封鎖資金を自由化すれば処罰対象となる。
この封鎖破りを頭取が犯したのである。
これを知った頑ちゃん、直訴に及んだため頭取は更迭。
しばらくしてこの話を頑ちゃんから聞いて驚いた。今は頑ちゃんも地下に眠っているが地獄の鬼に
義の何たるかを語っているのではなかろうか。
中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機
明日は閻浮(えんぶ)の塵ともならばなれ
人間世間の塵となって飛び消えるものなら消えてしまえ。どうなろうとなるようになれ。どうとでもなれ。
えんぶのちり【閻浮の塵】
この世のけがれた事物。
えんぶのみ【閻浮の身】
人間世界に生まれた身。凡夫(ぼんぷ)。
騏驥の跼躅は駑馬の安歩に如かず ききのきょくちょくはどばのあんぽにしかず
〔史記 淮陰侯伝〕
千里を走る名馬もぐずぐずしていては,静かに歩み続けるつまらぬ馬にも及ばない。才能があっても努力しなければ,着実に努力する凡人に劣るということ。
き き [1] 【騏▼ 驥▼】
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