2014年3月9日日曜日

平成22年第3回 漢字検定1級 故事成語 自分で分からない所を調べてみた


平成22年第3回

切羽鎺する(せっぱ はばき する)

《「切羽」も「鎺」も、刀剣の鍔元(つばもと)の金具の名。刀に手をかけて談判するところから》ひざづめ談判をすること。





大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず
  (たいしょうはせっこうのためにじょうぼくをかいはいせず)

 教育の標準は、学ぶ者が付いていけないからといって、程度を下げることはしないたとえで、大工の棟梁は、未熟な大工のために、すみなわを引く方法を変えたり、引くのをやめたりすることはないという意味から。「縄墨」すみなわ。大工が木材などに線を引くのに使う道具。

このことわざの出典孟軻 『孟子』

 

大工の棟梁は、下手な職人が縄墨が扱いにくいなどと言っても、そのために使い方を変更したりはしないものだ。


 縄墨(じょうぼく)とは、材木に寸法の印をつけるために用いる道具。横たえた材木の上に墨のついた糸を 張り、それを弾いて木に叩きつけることで線の跡を残します。定規などで代用できないこの道具の素晴らしい特徴は、糸を弾くときに角度や捻りを加えること で、若干湾曲した線を描くことができることです。
 名人が行えば、しなった材木をタテに等分する緩い曲線を自在に描くことができるわけですが、この道具をそ こまで操るには、やはりたいへんな年季が必要とされるそうです。

 上の一節は、修練が必要な技術を伝授するにあたって、目先の困難を回避するために安きに流れることの愚 を説いています。
 何らかの技術を教授する際、その習得が難儀だからという理由で部分的に程度の低い代案を組み込むことは、たいていの場合よい結果を生みま せん。
 頑なに最上級のテクニックを強要すべきという意味ではもちろんありません。十分に吟味して最適な代案を用意するのと、うわべだけ似せて安易に面倒を しのぐことは、まったく別物だということです。


甘瓜苦蔕(くてい)を抱く
苦蔕】甘い瓜でもへたは苦い。完全無欠なものはない。

これも「辞典」にありませんし、「成語林」にも載っていません。全く知らない故事諺でした。ネットでの情報だと、「故事成語名言大辞典」には載っているようで、「蹄窪の内、蛟竜を生ぜず」22-2Kに引き続き、この辞典からの出題です。以前は、故事諺は、「成語林」から沢山出題されていたように思うのですが、出題者の宗旨替えでしょうか。

問題については、甘瓜と「くてい」が対になっていること、甘いの反対語は苦い、瓜の対は蔕(へた)13-3K 18-3Kですので何とかわかりました。蔕の音読みは、テイだったかな? タイだったかな? と思いましたがどちらもあるのですね。

蔕の音読み熟語としては、
人生こんてい(根蔕(底・柢))無く、飄として陌上のちりのごとし 9-3K=征116
が出題されています。私は、複数の漢字があるときは、なるべく簡単な漢字で書ければいい、これは、根底でいいと思っていました。ただ、根蔕と書けるようにしておくと、蔕の音読みにテイがあることがすぐわかるのでしょう。尤も、蔕の見出し語には、 【芥蔕(かいたい)】もあり、タイとテイの読み分けは難しそうです。



奔車の上に仲尼無く、フクシュウ(覆舟)の下に伯夷無し
(ほんしゃのうえにちゅうになく、ふくしゅうの下にはくいなし)

「仲尼」は孔子の字「伯夷」は殷の末、周の初めの賢者で潔白な人の名]ものすごい勢いで奔る車の上では聖人といわれる孔子でも そうそう謹厳にしていら れるものでもないし 転覆した舟の下では 人格高邁で名高い伯夷といえども そうそうとりすましてはいられない、ということから 危難が身にふりかかるお それのある国からは 聖人も賢人もいなくなるということのたとえ 出典:韓非子.安危


動くこと雷霆(らいてい)の如し

「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の句は、『孫子』・軍争篇第七で、軍隊の進退について書いた部分にある文章を、部分的に引用したものである。すなわち、
「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆。」
(故に其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し)

「発如鏃矢」って?

またまた漢検の話に戻りますが・・
22
年度第3回1級 故事成語の次の問題について。

問題: 発すること鏃の如く、動くことライテイの如し。

解答: 雷霆

「動くこと雷霆の如し」は、『孫子』軍争篇にある言葉です。

 其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、
 難知如陰、動如雷霆。
 
 其の疾(はや)きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、
 侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、
 知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し。

【意味】
 移動するときは風のように素早く、様子をうかがうときは林のように静かに、
 攻撃するときは火のように激しく、守りを固めるときは山のようにどっしりと構えて、
 行動の知り難さは暗闇のように何も分からず、行動を起こすときは雷のように突然に。


それで、漢検の問題文にある「
発すること鏃矢の如く」は、
一体どこの(誰の)言葉なのでしょう・・。
 (先週末せっかく図書館へ行ったのに調べるのを忘れた~)

訳すとすれば、「矢を放つときは鏃(やじり)のように鋭く」かな。
(なんかヘン?)

ちなみに、鏃矢の読みは”ゾクシ”だと思いますが、
漢字源には「矢鏃(シゾク)」と載っていました。

10.発すること鏃矢の如く、動くこと【ライテイ】の如し。
 【雷霆】意味不明のことばです。鏃矢(ぞくし)は、するどい矢。雷霆(らいてい)は、雷の響き。
 突入するときはするどい矢のように、動くときはすさまじい雷のように、とでも訳そう。
 
古典の一節と思われる。水滸伝か?ま、とにかく直感と推理力も必要だな。動くこと雷霆のごとし、と覚えよう。
 「霆」は「テイ、いなずま」。ほかの熟語には、
 【霆撃】(テイゲキ )いなずまのように一気に攻撃する。
 【疾霆】(シッテイ )にわかに鳴る雷。

新潟漢字同好会

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 漢字検定 採点 変だ! 怒怒怒!! 令和2年1月20日




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