2014年3月9日日曜日

24年第3回  漢字検定1級 故事成語 分からないものを調べてみた


24年第3回

麝香も嗅げば脳に入る

 調べ中





天下に忌諱(きき)多くして、民弥々(いよいよ)貧し
(世の中に禁令が多くなると、人民はいよいよ貧しくなる。)

老子 第五十七章
正を以()って国を治め、奇を以って兵を用い、無事を以って天下を取る。
吾れ何を以ってその然るを知るや。
これを以ってなり。
それ天下に忌諱(きき)多くして、民弥々(いよいよ)貧し。
民に利器多くして、国家滋々(ますます)(みだ)る。民に知恵多くして、邪事(じゃじ)滋々起こる。
法令滋々彰(あき)らかにして、盗賊多く有り。
故に聖人は云()う、我()れ無為にして民自(おのずか)ら化()す。
我れ静を好みて民自ら正し。
我れ無事にして民自ら富む。
我れ無欲にして民自ら樸(ぼく)なりと。

ー天下多忌諱、而民彌貧ー   老子 第五十七章
{原文}
天下多忌諱、而民彌貧、
民多利器、國家滋昏。

{書き下し文}
 天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し、
民に利器多くして、國家ますます昏し。

{意解}
世の中に禁令が多くなると、人民はいよいよ貧しくなる。
人民の間に文明の利器が多く使われるようになると、
国家はいよいよ混乱する。

紀元前の中国の時代から、「これしちゃいけない、あれしちゃいけない」
と禁令だらけでは、新たなものに挑戦しようという意欲が失われ、
それが国家の痛手だと言われていたんですね。

生活が便利になれば、国は豊かになりそうですが、
利器に振り回されて、
本来のものを失ってくるという警告です。



桂林の一枝,崑山の片玉 【けいりんのいっしこんざんのへんぎょく】
〔「晋書 郤詵伝」の,晋の郤詵(げきしん)が賢良の試験で第一等となり,雍州の官吏に任ぜられた時,武帝の問いに,桂林の一枝,崑崙山の玉の一片を得たにすぎないと言った故事から〕
わずかばかりの出世。また,科挙に合格することのたとえ。


「大(だい)は棟梁(とうりょう)と為(な)し小(しょう)は榱桷(すいかく)と為なす」                          



 故事ことわざの辞典によると、《「棟梁」は、建て物のむねやはり。「榱桷」は、たるき》 大きい材はむな木やはりとして用い、小さいのはたる木にする。

 才能に応じてふさわしい場所に人を登用することのたとえ。

 参考に、漢検漢和辞典の音訓索引で「たるき」を見ると、「桷」「椽」「榱」が掲載されていました。 




















窈窕たる淑女は君子の好逑 ようちょうたるしょくじょはくんしのこうきゅう

窈窕たる淑女は、ミサゴの妻のように、君子の妻とするに相応しいものだ


關雎(壺齋散人注)

  關關雎鳩  關關たる雎鳩は
  在河之洲  河の洲にあり
  窈窕淑女  窈窕たる淑女は
  君子好逑  君子の好逑

  參差行菜  參差たる行菜は
  左右流之  左右に之を流(もと)む
  窈窕淑女  窈窕たる淑女は
  寤寐求之  寤めても寐ねても之を求む

  求之不得  之を求むれども得ざれば
  寤寐思服  寤めても寐ねても思服す
  悠哉悠哉  悠なる哉 悠なる哉
  輾轉反側  輾轉反側す

  參差行菜  參差たる行菜は
  左右采之  左右に之を采る
  窈窕淑女  窈窕たる淑女は
  琴瑟友之  琴瑟もて之を友とせん

  參差行菜  參差たる行菜は
  左右撰之  左右に之を撰(えら)ぶ
  窈窕淑女  窈窕たる淑女は
  鍾鼓樂之  鍾鼓もて之を樂しましめん

和やかに鳴きあうミサゴの夫婦が川の中州にいる、窈窕たる淑女は、ミサゴの妻のように、君子の妻とするに相応しいものだ

生い茂った水菜は左右に求めて食卓を飾るべきものだ、窈窕たる淑女は、目覚めていても寝ていても、求めに求めて伴侶にすべきものだ

窈窕たる淑女を求めて得ることができないならば、目覚めていても寝ていても残念に思うべきだ、ああ残念のあまり、身のもだえる思いがする

生い茂った水菜は左右に摘んで食卓を飾るべきものだ、窈窕たる淑女は、琴瑟を以てもてなすべきものだ

生い茂った水菜は左右に選び取って食卓を飾るべきものだ、窈窕たる淑女は、鍾鼓を以て楽しんでもらうべきものだ


この詩は、配偶者を求めて歌っていることから、中国人にとっては古来、婚礼の席で歌うべきめでたい歌だとされてきた、

關關とは毛伝に和声をさすとある、ミサゴの夫婦が互いに応じあって声を交わすさまを表しているのであろう、ミサゴに限らず鳥は夫婦仲が良いものであるから、人の婚礼のめでたさを飾るのに相応しい、

また窈窕とは、つつしみ深い美しさをさす、中国人にとって、婦人としてあるべき理想を表わした言葉であった、だから詩の中では、そのような婦人は寝ていても覚めていても求めるべきだといっているのである、


詩経国風に出てくる十五の国・地方のうち、最初に位置するのは周南である。周南は次に出てくる召南とともに、周の南の地域の歌謡を集めたものだとされる。周の始祖后稷から数代を経た時、周は故地を分かちて、周公と召公とにそれぞれ治めさせた。いづれも今の陝西省の地域に属する。周は後に華北全体を覆う大帝国となるが、そのなかでも陝西省にあった周と召とは、国家の中核をなすところだったのである。

この周南篇に収められた作品は、いづれをとってみても、高い格調を感じさせる。中でも冒頭を飾る「關雎」は「窈窕の章」とも称され、古来漢詩の精髄ともみなされてきたものである。蘇軾もあの「赤壁の賦」を、この歌への言及を以て始めている。
窈窕の章:淑女を歌う(詩経国風:周南)
http://chinese.hix05.com/Shikyo/shikyo101.html

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