2014年3月10日月曜日

故事・諺①(新星出版社より) 難解なものを抜粋し、意味を調べてみた


故事・諺①(新星出版社より)
難しいところを抜粋 意味を調べてみた

ここにある故事・ことわざ
 鷸蚌の争い  綸言汗の如し  兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ  華胥の国に遊ぶ  の人、何ぞ算うるに足らんや   焙烙千に槌一つ  飽かぬは君の御諚  阿漕が浦に引く網  飴を舐らせて口をむしる




鷸蚌の争い いつぼうのあらそい

〔シギとハマグリとが争っている間に,両方とも漁夫に捕らえられたという「戦国策 燕策」の故事から〕

 二人が利を争っている間に,第三者に乗ぜられ共倒れになるような無益な争い。 漁夫の利

原典より
 紀元前四世紀ごろ、中国は戦国時代で多くの国が対立していました。
 その中の趙(ちょう)が隣国の燕(えん)に攻め入ろうとしていました。ところで、この国の近くに秦(しん)という強国があります。蘇代(そだい)という人が、攻め入ろうとしている趙の恵文王に対してこう語りました。
 私が、こちらにまいります時、易水(えきすい)という川を通りました。そこでは、蚌(ぼう)(カラス貝の一種)が身を殻(から)から出していました。ところが、鷸(いつ)(シギの一種)がその肉をついばみました。
 あわてて蚌は、殻を合わせてそのくちばしをはさみ込んでしまいました。「きょう、雨が降らず、あすも雨が降らなければ、死んだ蚌ができるぞ」と鷸は言います。「きょう、くちばしを出せずにいて、あすもくちばしを出せなければ、死んだ鷸ができるぞ」蚌も負けてはいません。ちょうどそこに漁夫(漁師)が通り掛り、鷸と蚌の両方を捕らえてしまったのでした。
 今、趙は燕を討とうとしています。燕と趙が戦闘で争い合って、民衆を疲弊させてしまったなら、強い秦がこの「漁夫」のように、趙と燕の両方を我がものとしてしまいましょう。これを聞いた恵文王は攻め込むのを止めました。
      この話から、互いが争そい合っている時、第三者が思わぬ利益を得るという意味の「漁夫の利」という言葉が生まれています。

仏典に見る故事・説話 http://www.geocities.jp/hitatidaigo/itubou.html



綸言汗の如し りんげんあせのごとし

綸言汗の如しとは、君主が一度口にしたことばは、訂正したり取り消すことができないということ。


http://kotowaza-allguide.com/ri/ringenasenogotoshi.html
故事ことわざ辞典

綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)とは、皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言
「綸言」の出典は孔子の「礼記」緇衣篇である。原文では「王言如絲,其出如綸;王言如綸,其出如綍」[1]となっており、王のちょっとした言葉(=細い糸)が重い意味(=太い糸)を持つとの教訓である[2]
「汗の如し(如汗)」の出典は漢書劉向伝であり[3]、原文は「言号令如汗,汗出而不反者也」である[4]

概要
 古来より、皇帝など国家の支配者の発言は神聖であり絶対無謬性を有するとされ、臣下が疑念や異議を差し挟むことは不敬とされた。
 このため、一旦皇帝より発せられた言葉は仮に誤りがあっても、それを訂正することは皇帝が自らの絶対無誤謬性を否定することになり、皇帝の権威を貶めてしまうためタブーとされた。
 このため、「綸言汗の如し」(皇帝の発言は、かいてしまったのように体に戻すことができない)という古典典籍の言葉を引用、格言として軽率な発言やその訂正を戒めた。
この慣例は発言のみならず文書にも適用され、乾隆帝が先に入手した黄公望の「富春山居図」模本にを記入してしまったため、後に入手した真本に賛を入れることが出来なかったという故事が残されている。


日本での受容
 鎌倉時代に成立したといわれる『平家物語』の『頼豪(らいごう)』に、三井寺の僧、頼豪白河天皇を評して、「てんしには たはぶれの ことば なし。りんげん あせのごとしとこそ うけたまはつて さふらへ[5]。」(天子には戯れの言葉は無い。「綸言汗の如し」というではないか。)と言ったと書かれている。
 室町時代に成立した『太平記』巻第十四・『将軍御進発大渡・山崎等合戦事』には「かく計たらさせ給ふ綸言の汗の如くになどなかるらん去程に正月七日に、義貞内裏より退出して軍勢の手分あり。」との記述がある[6]
明治時代に編纂された事典『古事類苑』にも、「綸言如汗」の項が作られている[7]

Wikipedia  http://ja.wikipedia.org/wiki/綸言汗の如し



兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ
(けいていかきにせめげどもそとそのあなどりをふせぐ) 「詩経・小雅・常棣編」

 普段はよく兄弟げんかをして仲が悪そうだがいったん、外部から第三者のあなどりや、辱めを受ければ、内輪もめはさらりと忘れ、兄弟力を合わせてこれに当たる。

語:牆=土地の仕切り。家の囲い。垣根。
  鬩ぐ=攻め争う。  務り=侮り。軽蔑

類:兄弟は鴨の味  兄弟は左右の手  兄弟は手足たり
  兄弟は両の手  血は水よりも濃し

反:兄弟は他人の始まり

故事ことわざ辞典blog
http://kotowaza.exblog.jp/4739366



華胥の国に遊ぶ かしょのくににあそぶ
 
『華胥(かしょ)の国に遊ぶ』
好い気持ちで昼寝をすること。


参考:華胥の国 (「列子-黄帝」にある故事で) 中国古代の天子、黄帝が昼寝の夢に見たという理想郷。人々は自然に従って生き、物欲、愛憎なく、生死にも煩わされることなく良く治まっていたという国。


出典:列子(れっし) 中国の道家の典籍。8巻。列子の撰と伝えられるが、実際には前漢の後半に初めて出現し、現行本は、さらに六朝道家の手が加えられている。戦国以来の伝説的道家思想として、情欲を去り心を虚しくして自然に従うべきことを説く一方、六朝の思想である快楽主義、神仙思想、仏教思想の影響の見えることが特色である。「沖虚真経」。


人物:列子(れっし) 中国戦国時代の道家の思想家。名は禦寇(ぎょこう)。虚(きょ)の道を得た哲人として伝えられるが、その伝記は明らかでなく、「荘子」によって虚構された人物と思われる。唐代に「沖虚真人」の称号を贈られた。

http://www.geocities.jp/tomomi965/kotowaza03/03-12-2.html



の人、何ぞ算うるに足らんや
(とそうのひと、なんぞかぞうるにたらんや)

 こせこせした器量の狭い人を喩えた言葉。 
人物として論ずるに足らない人のこと。 

 斗は一斗を入れる器のことで、は一斗ニ升の容量の竹器。 

 故に小さな器で量ることのできる程度の人という意味になる。 
出典は論語の子路。 

 士を論ずる中で弟子の子貢が「今の政治にたずさわる人々はどうでしょうか」と問うと、孔子は「数えるにも足らぬ斗の人ばかりである」と答えた。

出典・参考・引用
孔子「論語」子路



焙烙千に槌一つ (ほうろくせんにつちひとつ)

・意味
つまらぬ者がいくら集まっても、
一人の優れた者にはかなわないということのたとえ。

焙烙はどんなにたくさんあっても、
槌一つで全部割られてしまうという意から。

「焙烙」は素焼きの平たい土鍋。
食品を炒るのに用いる。

http://ameblo.jp/tousen-manabu/entry-11561622486.html

英語で
【“ It is like to put a cat among the pigeons.”】(ハトの群れにネコ一匹を入れるようなもの)

鳩をいくら集めても猫一匹にかなわない。このように弱いものや壊れやすいものはいくら集めても仕方がないという意味もある。

英語でことわざシリーズ
http://haraka07fc2.blog120.fc2.com/?m&no=1110



飽かぬは君の御諚  (あかぬはきみのごじょう)

 主君の命令であれば、どんな無理なことでも嫌だとはおもわないということ。
 「御諚」は主君の命令のこと。
 
  同意のことわざ: 合わぬは君の仰せ

御諚/御定 ご‐じょう 〔‐ヂヤウ〕 
貴人主君命令。おおせ。おことば。「―を賜る」



阿漕が浦に引く網 あこぎがうらにひくあみ

 阿漕が浦に引く網とは、人知れず行う隠し事も、たびたび行えば広く人に知れてしまうことのたとえ。

【阿漕が浦に引く網の解説】
「阿漕が浦」は三重県津市東部の海岸一帯で、昔は伊勢神宮に奉納する魚を取るために網を引いた場所。
特別の漁業区域で一般人の漁は許されていなかったが、阿漕の平治という漁師が病気の母親のために、たびたび密漁をしていて、ついには見つかり簀巻きにされたという伝説から。

「あこぎなまねをする」などと用いる、強欲であくどいさまをいう「あこぎ」も、この伝説から出た言葉。

【類義】度重なれば顕るる

【用例】「阿漕が浦に引く網で、本人はうまくやっていたつもりでいたようだが、日本中の人たちに知れ渡る結果になった」
故事ことわざ辞典
http://kotowaza-allguide.com/a/akogigauranihikuami.html




飴を舐らせて口をむしる  (あめをねぶらせてくちをむしる)

口先でうまいことを言って喜ばせて、相手の心の裏を聞き出すこと。



平成26年3月10日(月)曇り 夜は大雪


今日は漢字検定の一つの節目の日となった。



 故事成語が終わり、また、「読み」に戻るのであるが、今日は、読みの今までやった所、つまり「読み」の ①から⑪(新星出版社 漢字検定1級問題集)まで復習してみた。すると、四字熟語や故事成語のところから結構出ている。これからは、もっと広い視野で勉強ができるのではないかと思った。


 今日は、青南蛮を切って醤油に漬けた。また、紹興酒と梅酒を飲んで寝るものとする。今2時。夜鷹になってきた。もう少し早くに寝なければな。 



柳絮の才  りゅうじょのさい


柳絮の才とは、非凡な才女のたとえ。女性のすぐれた文才を褒めて言うことば。

「柳絮」とは、白い綿毛のついた柳の種子。また、それが雪のように舞うこと。
晋の時代、謝安が急に降り始めた雪を見て、この雪は何に似ているかと聞いたところ、甥の謝朗は「空中に塩を蒔いたようだ」と言い、姪の謝道韞は「白い綿毛のついた柳の種子が風に舞い散るのには及ばない」と答えた。
謝安は姪のことばに感心し、「柳絮の才高し」と言ったという故事に基づく。

詠絮の才/詠雪の才/閨秀/才媛

「彼女は本当に柳絮の才が高い」


九仞の功を一簣に虧く  きゅうじんのこうをいっきにかく


九仞の功を一簣に虧くとは、事が今にも成就するというときに、手を抜いたために物事が完成しない、または失敗すること。

「仞」は古代中国の高さや深さの単位で、「九仞」は非常に高いという意。
「簣」は土を運ぶかご。もっこ。
「虧く」は損なうこと。
高い山を作るのに、最後にもっこ一杯の土を欠けば完成しないことから。
『書経・周書』に「山を為ること九仞、功一簣に虧く」とあるのに基づく。

磯際で船を破る/画竜点睛を欠く/終身善を為し一言則ち之を破る/千日の行屁一つ/千日の行を一度に破る/草履履き際で仕損じる/百日の説法屁一つ仏作って魂入れず/仏作って眼を入れず/仏作っても開眼せねば木の切れも同然/港口で難船
【対義】

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故事成語 目次

故事・諺①(新星出版社より)
鷸蚌の争い  綸言汗の如し  兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ  華胥の国に遊ぶ  の人、何ぞ算うるに足らんや   焙烙千に槌一つ  飽かぬは君の御諚  阿漕が浦に引く網  飴を舐らせて口をむしる  

九仞の功を一簣に虧く


故事成語②(新星出版社)より
瑾瑜は瑕(きず)を匿(かく)し、 
国君は垢(はじ)を含む   両葉去らずんば斧柯を用うるに至る   凱風南よりして彼の棘心を吹く   槿花一朝の夢   倹約と吝嗇(りんしょく)は水仙と葱(ねぎ)   端倪すべからざる    瑾瑜は瑕(きず)を匿(かく)し、 
国君は垢(はじ)を含む   三十の輻(ふく)、一つの轂(こく)を共にす。その無に当たりて、車の用あり。 

故事成語③ (新星出版社)
良賈(りょうこ)は深く蔵(ぞう)して虚(むな)しきが如(ごと)し  人の牛蒡で法事する  舐犢の愛   合羽着て撫でても見たき柳かな   まず黍(キビ)を喰らい、後に桃を喰らう   玉を食らい桂を炊ぐ   杵で当たり杓子で当たる   身体髪膚これを父母に受くあえて毀傷せざるは孝の始めなり   朝鳶に蓑を着よ、夕鳶に笠をぬげ    猫の歯に蚤

故事成語④ (新星出版社)
内踝は蚊に食われても悪い  蚊のまつげに巣くう  蚤虱馬の尿する枕もと   命は鴻毛より軽し  不遜にして以て勇と為す者   呉牛月に喘ぐ  芻蕘に詢る  山の芋鰻とならず  一粲を博す  勝地定主無し  
普天の下率土の浜  親父の夜歩き、息子の看経  上古は結縄して治まる   尺牘の書疏は千里の面目なり  


故事成語⑤(新星出版社)
蕨の榾で手を切れば骨まで切れる  逆捩を食わせる  慷概死に赴くは易く、従容義に就くは難し   鋳掛(いかけ)屋の天秤棒(てんびんぼう)   窈窕たる淑女は寤寐(ごび)にこれを求む   臍の緒引き摺る    勧学院の雀は蒙求を囀る   枇杷と焼き魚を一時に食うべからず   嘉善の和は、一味に取るにあらず    藜羹を食らう者は大牢の滋味を知らず   駕籠舁き駕籠に乗らず   花中の鶯舌は花ならずして芳し   羝羊の藩に触る   考えと続飯(そくい)は練るほど良い    苫に寝て土塊を枕とす    翠は羽を以て自ら残なう    毀誉褒貶相半ばす       疏食を飯い水を飲み、肱を曲げてこれを枕とす    一髪千鈞を引く    辛崎の松は花より朧に   大廈の材は一丘の木にあらず   大行は細謹を顧みず   好んで酒を飲むべからず。微醺にして止むべし

故事成語⑥(新星出版社)

平成20年第3回

平成21年第1回 平成20年第3回
九仞の功を一簣に虧く 積毀骨を銷す 

平成21年 第3回

漢検1級 故事成語 22年度 詳説

漢検1級 故事成語 平成23年度の問題で難しかった所

平成24年第1回

平成24年 第2回

24年第3回

平成25年 第2回 第1回問題より
手臂終に外に向かって曲げず  食前方丈一飽に過ぎず  衆口金を鑠し、積毀骨を銷す   勝地定主無し   田鼠化して鶉と為る   朽索の六馬を馭するが如し   白頭新の如く、傾蓋故の如し   芻蕘に詢る  

1 件のコメント:

  1. Hide Hashi様

    初めまして。
    「くろご式ことわざ辞典」を運営しているものです。

    Hide Hashi様に、こちらの記事で当サイトを紹介してくれていることに気付き、
    とても嬉しく思いました。誠にありがとうございます。

    くろご式 ことわざ辞典
    ※リンク先:http://www.geocities.jp/tomomi965/kindaichi.html

    という部分です。

    ただ、2019/3/31をもって、Yahoo!ジオシティーズが終了してしまうため、
    こちらはリンク切れとなってしまいます。
    ※現在は引っ越し先ページに飛ぶようにしておりますが、2019/4/1以降はそれも無効となります。

    そこで、大変お手数ではございますが、
    上記のリンク先を、引っ越し先のページである、
    http://tomomi965.com/
    にご変更いただけないでしょうか。

    大変なお手数をお掛けいたしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

    当サイトへのリンクを貼っていただけましたことを、
    重ねて御礼申し上げます。

    くろご式ことわざ辞典
    http://tomomi965.com/

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