平成22年第1回 読み (11 − 20)
11) 【岑岑】たる頭に氷嚢をあてる。
【シンシン】
⇒【シンシン】=頭の痛むさま。
「岑」の読みは、「シン、ギン、みね」。
他の熟語は、
【岑楼】(シンロウ )高くそびえている山。
【岑楼】(シンロウ )高くそびえている山。
12) 久しく各地に【令尹】を務めた。 【レイイン】
⇒【レイイン】=①春秋・戦国時代、楚(ソ)の最上位の官名。宰相のこと。②明(ミン)・清(シン)代、地方長官の別名。
「尹」の読みは、「イン」。意味は、「①おさめる。ただす。②おさ。長官。」
「尹」の読みは、「イン」。意味は、「①おさめる。ただす。②おさ。長官。」
他の熟語は、
【尹祭】(インサイ ) 祖先の霊廟(レイビョウ)をまつるときにそなえるほし肉。
【伊尹】(イイン) 〈人名〉殷の知恵者。湯(トウ)王を助けて世の中を調和しておさめた。伝説では代表的な上古の賢人とされる。
【関尹】(カンイン ) 関所を守る役人。また、そのかしら。関もり。『関令(カンレイ)』
【尹祭】(インサイ ) 祖先の霊廟(レイビョウ)をまつるときにそなえるほし肉。
【伊尹】(イイン) 〈人名〉殷の知恵者。湯(トウ)王を助けて世の中を調和しておさめた。伝説では代表的な上古の賢人とされる。
【関尹】(カンイン ) 関所を守る役人。また、そのかしら。関もり。『関令(カンレイ)』
13) 無数の【頭顱】の先に凱旋将軍を見た。 【トウロ】
⇒【トウロ】=頭蓋骨。特に、風雨にさらされて肉が落ちた頭蓋骨。されこうべ。
「顱」の読みは、「ロ」。意味は、「あたま。こうべ。かしら。また、頭の上部。」
「顱」の読みは、「ロ」。意味は、「あたま。こうべ。かしら。また、頭の上部。」
顱
[音]
|
ロ
|
[訓]
|
かしら
|
こうべ
|
|
あたま
|
|
どくろ
|
《意味》
あたま。こうべ。かしら。頭の骨。どくろ。また、頭の上部。
【顱頂】ろちょう 頭のてっぺん。頭頂。
【顱頂骨】ろちょうこつ
頭頂骨。頭蓋骨の一部。頭蓋の中心にある左右一対の平らな四角形の骨。
【円顱】えんろ
1.
(髪を剃そ
った)まるい頭。「円顱の人(=僧侶)」
2.
僧侶。
【円顱方趾】えんろほうし
人間のこと。
「円顱」は丸い頭。「方趾」は四角い足。
古代中国では、人間の丸い頭は天を、四角い足は地を象かたどってできたもので、従って人間と天地は似ている存在であると説いたもの。
「円頭方足えんとうほうそく」
「円首方足えんしゅほうそく
」
【頭顱】とうろ
あたま。また、特に、風雨にさらされて肉が落ちた頭蓋骨。どくろ。
《字源》
声符は「盧(ろ)」。
「盧」はご飯を入れるための器の形。
「頁(けつ)」は祭事のとき、頭上に呪飾をつけた人の側身形、もしくは単に人の首から上を表す。
丸い器と頭蓋骨のイメージが重なる。
:「盧」の甲骨文字。
14) 凡そ【誠愨】ならざる者は無かった。 【セイカク】
⇒【セイカク】=きまじめでかたいこと。「愨」の読みは、「カク、つつし‐む、まこと」。
他の熟語は、
【愨実】(カクジツ ) きまじめなこと。
【愿愨】(ゲンカク ) きまじめで、誠実なさま。
【端愨】(タンカク ) きちんとしてまじめであること。『端誠(タンセイ)』
【愨実】(カクジツ ) きまじめなこと。
【愿愨】(ゲンカク ) きまじめで、誠実なさま。
【端愨】(タンカク ) きちんとしてまじめであること。『端誠(タンセイ)』
「愨」の読み「カク」が難しいですね。でも、「殻」(カク)を連想すれば覚えやすいです。
15) 人世の緊縛を【斫断】する。 【シャクダン】
⇒【シャクダン】=たち切る。切断。「斫」の読みは、「シャク、き‐る」。
他の熟語は、
【斫傷】(シャクショウ) 刃物で傷つける。
【斫木】(シャクボク) 切った木。
【斫傷】(シャクショウ) 刃物で傷つける。
【斫木】(シャクボク) 切った木。
16) 【勖勉】して経書に精通する。 【キョクベン】
⇒【キョクベン】=つとめはげむこと。勤勉。
「勖」の読みは、「キョク、つと‐める」。
「勖」の読みは、「キョク、つと‐める」。
他の熟語は、
【勖相】(キョクショウ) はげまして助ける。努めて治める。
【勖相】(キョクショウ) はげまして助ける。努めて治める。
17) 【棣鄂】の情を全うする。 【テイガク】
⇒【テイガク】
【棣鄂之情】 〈故事〉兄弟が仲よくすること。▽「棣鄂」は、にわうめの花。〔詩経〕
「棣」の読みは、「テイ、タイ」。
意味は、
①にわうめ。「棠棣(トウテイ)」「郁李(イクリ)」とも。
②車台の下の木。
③「棣棣(タイタイ)」とは、順序正しく並んで、乱れないさま。礼儀になれているさま。「威儀棣棣=威儀ハ棣棣タリ」〔詩経〕
④「棣棠(テイトウ)」とは、山野に自生する落葉低木の名。やまぶき。
①にわうめ。「棠棣(トウテイ)」「郁李(イクリ)」とも。
②車台の下の木。
③「棣棣(タイタイ)」とは、順序正しく並んで、乱れないさま。礼儀になれているさま。「威儀棣棣=威儀ハ棣棣タリ」〔詩経〕
④「棣棠(テイトウ)」とは、山野に自生する落葉低木の名。やまぶき。
18) 【東瀛】茫々として辺際を知らず。 【トウエイ】
⇒【トウエイ】=①東の方の海。東海。▽「瀛」は、大海。②日本のこと。
「瀛」の読みは、「エイ、うみ」。
意味は、漢字源から。
①ゆったりとした海。「瀛寰(エイカン)」
②「瀛洲(エイシュウ)」とは、中国の伝説にある三神山の一つ。東海(渤海(ボッカイ)中)にあって仙人が住んでいると伝えられる。「海中有三神山、名曰蓬莱、方丈、瀛洲、僊人居之=海中ニ三神山有リ、名ヅケテ蓬莱、方丈、瀛洲ト曰フ、僊人ココニ居ス」〔史記〕
①ゆったりとした海。「瀛寰(エイカン)」
②「瀛洲(エイシュウ)」とは、中国の伝説にある三神山の一つ。東海(渤海(ボッカイ)中)にあって仙人が住んでいると伝えられる。「海中有三神山、名曰蓬莱、方丈、瀛洲、僊人居之=海中ニ三神山有リ、名ヅケテ蓬莱、方丈、瀛洲ト曰フ、僊人ココニ居ス」〔史記〕
他の熟語は、
【瀛海】(エイカイ) 大海。大洋。
【瀛寰】(エイカン) 海と陸の総称。世界。▽「寰」は、寰宇で、天下のこと。
【蓬瀛】(ホウエイ) 東方の海にあり仙人が住むという、蓬莱(ホウライ)・瀛州(エイシュウ)の二つの山。方丈とともに三神山とする。
19) 山路【葩卉】繁く野田風日好し。 【ハキ】
⇒【ハキ】=美しいはなが咲く草。草ばな。花卉(カキ)。
「葩」の読みは、「ハ、はな」。
他の熟語は、
【葩経】(ハケイ) 「詩経」の別名。▽韓愈(カンユ)の「進学解」の「詩正而葩=詩ハ正ニシテ葩ナリ」による。
【紅葩】(コウハ) あかい花びら。あかい花のこと。
【葩経】(ハケイ) 「詩経」の別名。▽韓愈(カンユ)の「進学解」の「詩正而葩=詩ハ正ニシテ葩ナリ」による。
【紅葩】(コウハ) あかい花びら。あかい花のこと。
「卉」の読みは、「キ、くさ」。
熟語は、
熟語は、
【卉衣】(キイ) 草の繊維で織った衣服。蛮人の衣服。『卉服(キフク)・卉裳(キショウ)』
【花卉】(カキ) 花の咲く草。また、草花。『花草(カソウ)』
【珍卉】(チンキ) 珍しい草。『珍草(チンソウ)』
【花卉】(カキ) 花の咲く草。また、草花。『花草(カソウ)』
【珍卉】(チンキ) 珍しい草。『珍草(チンソウ)』
卉 芔
意味
草、草木、花、茂る、たくさんある、粗い、という意味がある。〔説文解字〕の本字は芔で、「艸の緫名なり」とある。
字形
屮+屮+屮による会意。〔説文〕に「艸屮に從ふ」とある。
音訓
音読みはキ、クツ、訓読みは、くさ。
熟語
き‐ぼく 【×卉木】 : 草と木。草木。「山野の―」
花卉 【カキ】
か‐き 〔クワ‐〕 【花×卉】
《「卉」は草の意》
1 花の咲く草。草花。
2 観賞用に栽培する植物。観賞する部分により、花物・葉物・実物(みもの)などに分ける。
原典
宋 王安石 《秋早》詩: “山路葩卉繁, 野田風日好。
秋早
暮尋蔡墩西,獨覺秋尚早。山路葩卉繁,野田風日好。
禪林烏未泊,經屋塵初掃。蠻籐五花簟,復足休吾老。
王 安石(おう あんせき、天禧5年(1021年) - 元祐元年(1086年))は、北宋の政治家・詩人・文章家。字は介甫、号は半山。撫州臨川(江西省撫州市)の人。新法党のリーダー。神宗の政治顧問となり、制置三司条例司を設置して新法を実施し、政治改革に乗り出す。文章家としても有名で、仁宗に上奏した「万言書」は名文として称えられ、唐宋八大家の一人に数えられる。また詩人としても有名である。儒教史上、新学(荊公新学)の創始者であり、『周礼』『詩経』『書経』に対する注釈書『三経新義』を作り、学官に立てた。
意味
草、草木、花、茂る、たくさんある、粗い、という意味がある。〔説文解字〕の本字は芔で、「艸の緫名なり」とある。
字形
屮+屮+屮による会意。〔説文〕に「艸屮に從ふ」とある。
音訓
音読みはキ、クツ、訓読みは、くさ。
熟語
き‐ぼく 【×卉木】 : 草と木。草木。「山野の―」
花卉 【カキ】
か‐き 〔クワ‐〕 【花×卉】
《「卉」は草の意》
1 花の咲く草。草花。
2 観賞用に栽培する植物。観賞する部分により、花物・葉物・実物(みもの)などに分ける。
原典
宋 王安石 《秋早》詩: “山路葩卉繁, 野田風日好。
秋早
暮尋蔡墩西,獨覺秋尚早。山路葩卉繁,野田風日好。
禪林烏未泊,經屋塵初掃。蠻籐五花簟,復足休吾老。
王 安石(おう あんせき、天禧5年(1021年) - 元祐元年(1086年))は、北宋の政治家・詩人・文章家。字は介甫、号は半山。撫州臨川(江西省撫州市)の人。新法党のリーダー。神宗の政治顧問となり、制置三司条例司を設置して新法を実施し、政治改革に乗り出す。文章家としても有名で、仁宗に上奏した「万言書」は名文として称えられ、唐宋八大家の一人に数えられる。また詩人としても有名である。儒教史上、新学(荊公新学)の創始者であり、『周礼』『詩経』『書経』に対する注釈書『三経新義』を作り、学官に立てた。
20) 【妖孼】は天の天子諸侯を戒むる所以なり。 【ヨウゲツ】
⇒【ヨウゲツ】=わざわいのきざし。また、わざわい。
出題文の出典はわからないが、中庸第24章には「国家将(まさ)に亡びんとすれば、必ず妖孼あり」として使われている。
「孼」の読みは、「ゲツ、わざわ‐い」。
意味は、「①わきばら。めかけの生んだ子。②わざわい。悪い。つみ。」
他の熟語は、
【孼臣】(ゲッシン) わるい家来。
【孼遺】(ゲツイ) わすれがたみ。
【孼孼】(ゲツゲツ) さかんに飾るさま。いまにも崩れそうなさま。
原典にあたる
http://6729.teacup.com/siyujin/bbs/396
「象乃布江」国家が滅びに向かおうとすると、必ずや妖しいこと、普通でないことが起こる 投稿者:児島宮考古学研究室 投稿日:2014年 4月18日(金)17時03分28秒
五行十干の理、卦殳彖象。
筮(めとぎ)を執れば必ず吉凶が決まるる。
ト筮(ぼくぜい・占い)して吉凶などを判断すること。
日本人の心象
「子日目利箒」ねのひのめとぎぱはき儀式
和名は、荃を筮(めとぎ:占いの道具)に使ったことからといラ。めとぎ。
めとぎ(易占に使う筮竹の前身)や亀の甲(焙って割れ目で卜する
国家まさに亡びんとすれば、必ず妖孼(ようげつ)有り。蓍(シ)・亀に見(あら)われ、四体に動く。
国家が滅びに向かおうとすると、必ずや妖しいこと、普通でないことが起こる。めとぎ(易占に使う筮竹の前身)や亀の甲(焙って割れ目で卜するのである)にも現われるし、ひとの手足にも感じられることがある。
「孼」(ゲツ)は「ひこばえ」で、本来生えるべきでない時・所の生える植物の生えかけ。
そもそも筮を立てるのは 蓍(めとぎ) を用いるのが正しい。
妖孼(ようげつ)
「妖孼(ようげつ)」ということばが出てきた。漢検漢和辞典で調べると、「あやしいわざわい。また、わざわいをもたらす不気味な前兆。」
参考憲法が災い元
【妖孼】ようげつ
災い。また、災いのおこるきざし。
「国が滅びようとするときは必ず妖孼がある」
原典を更に追う。漢字検定1級は原典に当たるのが良い。
「至誠神に入」本当の誠の心を以ってすれば、神の如く、総てを見切ることが可能となる、の謂い。正確には「至誠は神のごとし」で、「中庸」第二十四章に以下のように載る。
至誠之道、可以前知。
國家將興、必有禎祥。
國家將亡、必有妖孼。
見乎蓍龜、動乎四體。
禍福將至、善必先知之、
不善必先知之。故至誠如神。
至誠の道、以つて前知すべし。
國家、將に興らんとするときは、必ず禎祥有り。
國家、將に亡びんとするときは、必ず妖孼(ようげつ)有り。
蓍龜(しき)に見(あらは)れ、四體に動く。
禍福、將に至らんとするときは、善も必ず先す之を知り、不善も必ず先す之を知る。故に至誠は神のごとし。
●「禎祥」福の兆し。
●「妖孼」禍いの兆し。
●「蓍見」の「蓍」筮(ぜい)によって占い、「龜」は亀卜すること。
●「四體」は動作威儀。
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【孼臣】(ゲッシン) わるい家来。
【孼遺】(ゲツイ) わすれがたみ。
【孼孼】(ゲツゲツ) さかんに飾るさま。いまにも崩れそうなさま。
原典にあたる
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「象乃布江」国家が滅びに向かおうとすると、必ずや妖しいこと、普通でないことが起こる 投稿者:児島宮考古学研究室 投稿日:2014年 4月18日(金)17時03分28秒
五行十干の理、卦殳彖象。
筮(めとぎ)を執れば必ず吉凶が決まるる。
ト筮(ぼくぜい・占い)して吉凶などを判断すること。
日本人の心象
「子日目利箒」ねのひのめとぎぱはき儀式
和名は、荃を筮(めとぎ:占いの道具)に使ったことからといラ。めとぎ。
めとぎ(易占に使う筮竹の前身)や亀の甲(焙って割れ目で卜する
国家まさに亡びんとすれば、必ず妖孼(ようげつ)有り。蓍(シ)・亀に見(あら)われ、四体に動く。
国家が滅びに向かおうとすると、必ずや妖しいこと、普通でないことが起こる。めとぎ(易占に使う筮竹の前身)や亀の甲(焙って割れ目で卜するのである)にも現われるし、ひとの手足にも感じられることがある。
「孼」(ゲツ)は「ひこばえ」で、本来生えるべきでない時・所の生える植物の生えかけ。
そもそも筮を立てるのは 蓍(めとぎ) を用いるのが正しい。
妖孼(ようげつ)
「妖孼(ようげつ)」ということばが出てきた。漢検漢和辞典で調べると、「あやしいわざわい。また、わざわいをもたらす不気味な前兆。」
参考憲法が災い元
【妖孼】ようげつ
災い。また、災いのおこるきざし。
「国が滅びようとするときは必ず妖孼がある」
原典を更に追う。漢字検定1級は原典に当たるのが良い。
「至誠神に入」本当の誠の心を以ってすれば、神の如く、総てを見切ることが可能となる、の謂い。正確には「至誠は神のごとし」で、「中庸」第二十四章に以下のように載る。
至誠之道、可以前知。
國家將興、必有禎祥。
國家將亡、必有妖孼。
見乎蓍龜、動乎四體。
禍福將至、善必先知之、
不善必先知之。故至誠如神。
至誠の道、以つて前知すべし。
國家、將に興らんとするときは、必ず禎祥有り。
國家、將に亡びんとするときは、必ず妖孼(ようげつ)有り。
蓍龜(しき)に見(あらは)れ、四體に動く。
禍福、將に至らんとするときは、善も必ず先す之を知り、不善も必ず先す之を知る。故に至誠は神のごとし。
●「禎祥」福の兆し。
●「妖孼」禍いの兆し。
●「蓍見」の「蓍」筮(ぜい)によって占い、「龜」は亀卜すること。
●「四體」は動作威儀。
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