2014年4月18日金曜日

平成22年第3回  読み 1の3(1−10)


平成22年第3回  読み 1の3(110

1)   近代化の波が澎湃として押し寄せた。 ほうはい

【彭湃】H22-3
(
ホウハイ )=澎湃。波があたってくだけるさま。
「彭」を「ホウ」と読むのんか。ほうか、ほうか。左側のパーツをホウと読むのかなあ。膨張の膨にも同じパーツがあるもんねえ。意味は「ふくれる」ということらしい。他の熟語は・・・

【彭殤】(ホウショウ )長命と短命。「彭」は、堯帝の臣下の長寿者、彭祖のこと。「殤」は、年若くして死んだ者のこと。「斉彭殤為妄作=彭殤ヲ斉シウスルハ妄作タリ」〔王羲之〕

「ホウハイ」と読む熟語には他には次のようなものがある。
【朋輩】(ホウハイ)(ホウバイ )身分や年齢が同等である友達。同輩。『朋儕(ホウサイ)(ホウセイ)・朋儔(ホウチュウ)・朋徒(ホウト)

【滂沛】(ホウハイ)(ボウハイ )雨が盛んに降るさま。「雲飛揚兮雨滂沛=雲ハ飛揚シテ雨ハ滂沛タリ」〔揚雄〕水のひろびろとしてゆたかなさま。意気の盛んなさま。「吐滂沛乎寸心=滂沛ヲ寸心ニ吐ク」〔陸機〕恩沢のあまねく行き渡っているさま。

【滂湃】(ホウハイ)(ボウハイ )水の勢いの盛んなさま。

【豊沛】(ホウハイ )話題が豊かでふき出るようにしゃべる。「沛」は、いちどにふき出すこと。地名。漢の高祖劉邦(リユウホウ)が挙兵した地。今の江蘇(コウソ)省沛県。


2)新帝即位の後、奎文大いに興った。 けいぶん

 けい‐ぶん【×奎文】
 《「奎」は星座の名で、文運をつかさどる星》文物。文学。文教。「―にわかに興る」

二十八宿の一。西方の第一宿。アンドロメダ座から魚座にまたがる一六星をさす。とかきぼし。奎宿。

[人名用漢字] [音]ケイ(漢) 二十八宿の一。文章をつかさどる星座の名。とかき。「奎運・奎宿・奎文」 [名のり]あきら・ふみ

《「奎」は文教をつかさどるといわれる星の名》学問の気運。学問や文芸が発達する勢い。文運。「―大いに興る」

《「奎」は文章をつかさどる星座の名》天子自らが書いた文書。また、転じて、文章。

朝鮮、李朝時代に歴代諸王の御製・真影などを保管するために創設された府。後にソウル大学などの管理を経て、現在は国立の図書館・研究所としてソウルに所在する。

《「奎」は星座の名で、文運をつかさどる星》文物。文学。文教。「―にわかに興る」




3)当今の世態風俗に検覈を加える。 けんかく

【検覈】H22-3
(
ケンカク ) あたって調べて、事実を明らかにする。
カクがなかなか読めないです。「覈」の意味は、「しらべる。きびしく事実をしらべて明らかにする。」ことだそうです。
 したがって、訓読みは「しら-べる」です。

「覈」の熟語としては、ほかには、
【覈考】(カクコウ )きびしくしらべる。
【覈論】(カクロン )きびしく議論する。しらべて評論する。


4)懿旨により一寺が建立された。  いし

  いし【懿旨】
    太皇太后・皇太后・皇后の命令。

音読み)「」
(訓読み)「い」「うるわしい」



 意味 よい。うるわしい。
ああ。感嘆を表す。
 


5いまだ厭飫するに至らない。  えんよ

【厭飫】(エンヨ )
食べあきる。また、あき足りる。満足する。
『厭飽(エンポウ)いやがって避ける。あいそをつかす。
「飫」は「ヨ、あきる」。ヨとはなかなか読めないな。妖艶のヨウと読んでしまいそう。

熟語は、
【飫宴】(ヨエン )酒盛り。宴会。酔えん宴会と覚えたらどうだろうか?座布団一枚!

【飫聞】(ヨブン )あきるほど聞く。聞きあきる。よぶんに聞くと覚えてはいかが?座布団持ってけ!

【飫賜】(ヨシ )あきるほど酒や食物をもらう。〔左伝〕

食べ飽きてもエーンヨ。イマイチだなあ・・・。




6)先徳を聿修せんことを庶幾する。  いっしゅう

【聿修】H22-3
(イッシュウ ) 祖先・先人の徳を慕い、それを明らかにしておさめる。聿をリズムをととのえることばとして、ここにおさめる意と解する。
「聿」を「イツ」と読みにくい。このパーツを含む漢字には「筆=ヒツ」、「律=リツ」、「津=シン」などがあるため、迷ってしまいませんか?

そのほかの熟語は、
【聿来】(イツライ )そこにやってくる。一説に、ともにやってくる。

【聿懐】(イッカイ )心に思う。なつかしがる。一説に、「懐」は、人々をなつける。先王の徳を胸に抱いて、人民を安んずる。


【聿】 13画 7) 1

[音]
イチ

イツ
[訓]
ふで

べる

おさめる

すばや

《意味》
1.    ふで
2.    述べる。修める。

【聿修】いっしゅう
祖先・先人の徳を慕い、それを明らかにしておさめる。
「先人の徳を聿修す」


【聿】ふで
木・竹などの軸の先端に毛をたばねた穂をつけ、それに墨や絵の具をふくませ、手に持って文字や絵をかく道具。


《字源》
筆の形と手。「筆」の初文。
「聿」の甲骨文字。


「聿」の篆書。



 


7)一盞の水を所望する。   いっさん

  いっさん 【一×盞】
    一つのさかずき。
  2 1杯の酒や水。また、それを飲むこと。「を傾ける」「の水」



8)人馬絡驛たる大逵を往く。  たいき

【大逵】H22-3
(タイキ) 広い路。大道。
「逵」の読みは「キ、おおじ」。なんでキと読むんだろうかねえ。このパーツを持つ漢字でキと読むのはこれくらいじゃないかな。だから出題するのか!そおか、そおか。。。

そのほかの熟語は、
【逵路】(キロ )城壁の中にあって周囲に通じている大きな道路。

人馬絡駅
 「人馬絡駅」の意味を教えてください。読書をしているとこの語が出てきました。読みは著者により「じんばらくえき」とふられています。

 今で言えば「交通量が多い」というような意味です。
昔は馬が主要な移動手段だったので「人馬」。「絡駅」は人通りなどが絶えない様子です。




(箱根名所)古武士人馬の絡駅たりし往時の宿駅、箱根町全景
((はこねめいしょ)こぶしじんばのらくえきたりしおうじのやどえき、はこねちょうぜんけい



9)邨醸野肴を一夕の饗応に充てる。  そんじょう

【邨醸】H22-3
(ソンジョウ) 田舎で作る酒。
辞典で「邨」を見つけるのが大変だった。なんと「村」の異体字だった!(引っ掛けられた感じです。) こんな出題するなよ、と、つい思ってしまった。
「屯」を含む漢字は、混沌、噸、瓲、饂飩、魯鈍などがトン(ドン)で、違う読みをするのは純(ジュン)とこの邨(ソン)くらいのもの。(漢字音符字典より)
邨田丹陵(むらた たんりょう、1872 - 1940)という日本画家がいて、作品に「大政奉還の図」の作品があるが、この人の名前にこの邨の漢字がある。(Wikiより)
そこで、「邨」を見たら、「邨田丹陵」という画家を思い出し、「邨むらソン」と連想してはどうかな、、、?
「大政奉還の図」も見て、忘れないようにしよう。


これが「邨(むら)た たんりょう」 が書いた名画です。
奥にいるのが徳川慶喜公ですね。

「邨」は村の正字だそうです(字通)ので、忘れてもまあいいかなどと思わず(誰もそう思ってないか・・・)、しっかり記憶しておきましょう。



10)鹵獲した兵器を使用する。  ろかく

【鹵獲】
(ロカク ) 敵の軍用品などを奪いとる。「鹵獲品」
「鹵」の読みは「ロ、しお、しおち」。

ほかの熟語は、
【鹵掠】(ロリャク ) 奪う。かすめとる。

【鹵莽】(ロモウ)(ロボウ ) 荒っぽく不注意である。おろそか。粗略。

【鹵簿】(ロボ ) 天子の行列。「鹵」は、大型のたて。「簿」は、行列の順序を書いた帳簿。行幸のとき、鹵で行列の前後を警衛し、行列の順序を帳簿にしるすことから。

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謝辞
 このブログは、自分のお勉強のために作ったものです。あちらこちらのホームページやブログから気に入った記事をコピーペーストとして作ったものです。作る過程で非常に勉強になりました。
 とにかく分からないことだらけですので、自分なりに大量にいろいろな記事を使っております。それらの記事をお書きになった各位には本当に感謝しております。
 特に新潟漢字同好会様のブログ http://nkd-dogu.blogspot.jp の記事を多く参考にさせて戴きました。改めて感謝申し上げます。
 また、One On One 様、めざせ漢字検定一級 様、 漢字の大海 様 の記事も要所要所で使わせて頂きました。感謝申し上げます。

 

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