平成22年第1回 読み (21 − 30)
21) 小刀で竹を【刮】げる。 【こそ】
⇒【こそ】 「刮げる」=こすりけずる。そぎへずる。
「刮」の読みは、「カツ、けず‐る、こす‐る、こそ‐げる」。
熟語は、
【刮目】(カツモク) 目をかっと見開いてよく見る。特に期待し、注意して見る。
【刮目】(カツモク) 目をかっと見開いてよく見る。特に期待し、注意して見る。
「士別三日、即更刮目相待=士別レテ三日ナラバ、即チ更メテ刮目シテアヒ待タン」〔三国志〕→ここから次の四字熟語が生まれる。
【刮目相待】(カツモクソウタイ) 人が著しく進歩・成長するのを待ち望むこと。また、今までとは違った見方で相手を見直すこと。
22) 【礑】と思い当たった。 【はた、はった】
⇒【はた、はった】 「礑」の読みは、「トウ、はた‐と」。熟語は、特になし。
○礑と膝を打った ○礑とにらみつける ○礑と思い当たる
近世以降の表現とのこと(漢辞海 によると)
23) 亡母遺愛の【手匣】である。 【てばこ】
⇒【てばこ】 「匣」の読みは、「コウ、はこ」。
熟語は、
【剣匣】(ケンコウ) 剣を入れる箱。『剣箱(ケンソウ)』
【鏡匣】(キョウコウ) 鏡を入れておくはこ。かがみばこ。『鏡奩(キョウレン)』
【剣匣】(ケンコウ) 剣を入れる箱。『剣箱(ケンソウ)』
【鏡匣】(キョウコウ) 鏡を入れておくはこ。かがみばこ。『鏡奩(キョウレン)』
24) 【藜】の杖を常用している。
⇒【あかざ】
「藜」の読みは、「レイ、あかざ」。
熟語は、
【藜杖】(レイジョウ) あかざの茎でつくったつえ。軽いので老人が用いた。
【藜羹】(レイコウ) あかざの葉の吸い物。粗末な食べ物とされる。
【藜杖】(レイジョウ) あかざの茎でつくったつえ。軽いので老人が用いた。
【藜羹】(レイコウ) あかざの葉の吸い物。粗末な食べ物とされる。
25) 薪を荒縄で【紮】げる。 【から】
⇒【から】=しばり束ねる。くくる。 「絡げる」とも。
「紮」の読みは、「サツ、から‐げる」。
熟語は、
【結紮】(ケッサツ) 糸などで結ぶこと。特に、止血などのために血管などを縛って結ぶこと。
【紮営】(サツエイ) 軍隊がとどまる。
【結紮】(ケッサツ) 糸などで結ぶこと。特に、止血などのために血管などを縛って結ぶこと。
【紮営】(サツエイ) 軍隊がとどまる。
26) 作法について【諄諄】と説明する。 【くどくど】
⇒【くどくど】 「諄」の読みは、「ジュン、シュン、あつ‐い、くど‐い」。
熟語は、
【諄諄】(ジュンジュン) よくわかるように教えるさま。
【諄諄】(ジュンジュン) よくわかるように教えるさま。
「誨爾諄諄=ナンヂニ誨フルコト諄諄タリ」〔詩経〕
27) 衆口は金を【鑠】かす。 【と】
⇒【と】 多くの人の言うことは金をもとかすほどの力をもつ。讒言(ざんげん)や世評の恐ろしさを説いた言葉。
「鑠」の読みは、「シャク、と‐かす」。
熟語は、
【鑠金】(シャッキン) 金属をとかす。勢いのはげしいことのたとえ。
【矍鑠】(カクシャク) 老いてもいきいきと元気がよい。
矍鑠
【鑠金】(シャッキン) 金属をとかす。勢いのはげしいことのたとえ。
【矍鑠】(カクシャク) 老いてもいきいきと元気がよい。
矍鑠
28) 遠山を【銜】み長江を呑む。 【ふく】
⇒【ふく】
出典は、宋代の詩人・范仲淹の「岳陽楼記」。
銜遠山、呑長江、浩浩湯湯、横無際涯
→遠山を銜み、長江を呑み、浩浩湯湯(コウコウショウショウ)、横に際涯無し
→洞庭湖は遠い山々をふくむように広がり、長江の水を呑み込み、果てしなく豊かな水面が広がって、横にどこまでも広い。
「銜」の読みは、「カン、ガン、くつわ、ふく‐む、くわ‐える」。
熟語は、
【銜尾相随】(カンビソウズイ) 〈故事〉後につづく獣が前の獣の尾をくわえているように、前後にぴったりと続いていくこと。〔漢書〕
【銜枚】(カンバイ) 枚(バイ)(隠密に進軍する時などに兵士が口にくわえたり馬にくわえさせたりして、声をたてるのを防ぐ木片)をくわえる。
【銜尾相随】(カンビソウズイ) 〈故事〉後につづく獣が前の獣の尾をくわえているように、前後にぴったりと続いていくこと。〔漢書〕
【銜枚】(カンバイ) 枚(バイ)(隠密に進軍する時などに兵士が口にくわえたり馬にくわえさせたりして、声をたてるのを防ぐ木片)をくわえる。
29) 一善自ら千災を【禳】うに足る。 【はら】
⇒【はら】 「禳」の読みは、「ジョウ、はら‐う」。
熟語は、
【禳禱】(ジョウトウ) 神をまつって災いをはらい、幸いをいのること。
【禳禱】(ジョウトウ) 神をまつって災いをはらい、幸いをいのること。
原典を探る
韓愈より、一足先に都に帰る張署と交換した詩である。
『贈韓退之』 張署 その一部を抜粋
近者三奸悉破碎,羽窟無底幽黃能。
それが近ごろのことで、改革派と称したこの三人の悪者は悉くうちにその思惑は打ち砕かれたのだ。羽山の底なしの洞窟に黄熊が閉じこもった事と同様に、やつらは幽閉せられたということだ。
眼中了了見鄉國,知有歸日眉方開。
私の目にはっきりと故郷の姿を思い浮かべて見ることもできる、帰る日のあるということがまちがいなくあるとわかるし、ひそめた眉がもうじき開けるというものなのだ。
今君縱署天涯吏,投檄北去何難哉。
今、君がたとえはるか天涯の地の下級官吏に任命されたとしても、辞令を投げ返して、北の都に向けて官を去ることもどうしてむつかしいというのか。(君の力なら難しくはないというものだ)
無妄之憂勿藥喜,一善自足禳千災。
「圥妄の憂は薬することなくして喜びあり」とかいうではないか、一の吉報はおのずから千の災いをはらいのけるに十分足るというものだ。
難しい詩である。
漢詩研究より かなりレベルが高く難しいブログである
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/5641635.html
漢詩研究より かなりレベルが高く難しいブログである
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/5641635.html
30) 善賈を求めて諸(これ)を【沽】らんか。 【う】
⇒【う】 出典は論語。「善賈」(ゼンコ)=よい商人。また、大商人。良賈。
「沽」の読みは、「コ、う‐る、か‐う」。
熟語は、
【沽券】(コケン)=估券。 ①売渡しの証文。売券。②売り値。③人の値打ち。品位。体面。
「沽券に関わる」=「評判・品位・体面などに差し障りとなる。」
【沽券】(コケン)=估券。 ①売渡しの証文。売券。②売り値。③人の値打ち。品位。体面。
「沽券に関わる」=「評判・品位・体面などに差し障りとなる。」
参考までに論語(子罕第九-13)の原文書き下し文は、
「子貢が曰わく、斯(ここ)に美玉あり、
匱(ひつ)に韞(おさ)めて諸(こ)れを蔵せんか、
善賈(ぜんこ)を求めて諸れを沽(う)らんか。
子の曰わく、これを沽らんかな、これを沽らんかな。我れは賈(こ)を待つ者なり。」
(訳)
子貢が言った、「ここに美しい玉があるとします。
箱に入れてしまい込んでおきましょうか、
よい買い手をさがして売りましょうか。」
先生は言われた、「売ろうよ、売ろうよ。わたくしは買い手を待っているのだ。」(金谷論語)
0 件のコメント:
コメントを投稿