2014年4月17日木曜日

平成23年第1回 読み取り 3の1 (1 - 10)


平成23年第1回 読み取り 3の1  (1 - 10)


 23年第3回の読みをやってみたが・・・ボロボロだ。
私は、平成25年12月15日から本格的に1級の勉強を始めた。
これが今の状況だ。これも記録しておこう。
平成26年4月16日現在



1)【潺湲】たる遣り水が涼感を誘う。

【センカン、センエン】 さらさらと流れるさま。また、流れる水の音。
「潺」の読みは「セン」、訓読みが出ていない。熟語でしか使われない漢字かな。字通には、
「声符は孱(せん)。孱に孱弱なものの意がある。〔説文新附〕十一上に「潺湲(せんくわん)なり。水聲」とあり、潺潺・潺湲のように連語として用いる。小流をいう擬声語である
みずのおと、さらさらと流れる音。 潺湲(せんえん)。涙の流れるさま。」とあり、古訓に「ナガル・ヤリミヅ・ササラナミ」と出ていた。

 ところで、昔の文人はこれを使っていたのだから、やはり漢籍を相当読んだに違いない。たとえば、
「一水潺潺と流るる処もあり」〈子規・墨汁一滴〉
潺湲と咽び泣いているのです」〈谷崎・魔術師〉

」の読みは「エン、カン」で、やはり音のみ。「水流がゆるやかにくねるさま」の意。

この「」と「」は、「潺湲(センカン、センエン)の熟語のみ銘記すれば十分だな。


2) 各地の銘酒に【品隲】を加える。

【ヒンシツ】 品定めをすること。品評。
「隲」の読みは「シツ、のぼる」。広辞苑に次の項目がある。

【陰隲文】いんしつぶん (陰隲は、天帝がひそかに人間の行為をみて、禍福を下すこと) 明末にまとめられた道教の経典。善書の一種。明末から清代に普及。






3) 入り江に【蜑戸】が連綴する。

【タンコ】 海人(あま)の住む家。漁戸。漁家。
「蜑」の読みは「タン、あま」。意味は中国の南方に住む水上生活者の総称。〔国〕あま。漁夫。また、特に、海にもぐって貝などをとることを職業とする女のこと。

連綴 (読み)れんてい

(音読み)「テイ」「テツ」
(訓読み)「つづる」「とじる」 


つづる。つなぎ合わせる。文章をつくる。
とじる。つづり合わせる。 










4) 陛下の【軫念】あらせ給う所である。

【シンネン】 〔国〕天子がきめ細かく心配されること。
「軫」の読みは「シン、よこぎ,いたむ」。ほかの熟語は、
【軫恤】(シンジュツ ) いたみあわれむ。
【軫憂】(シンユウ ) いたみうれえる。きめ細かく心配する。
【軫懐】(シンカイ)『軫念(シンネン)』 心に深く心配する。「出国門而軫懐兮=国門ヲ出デテ軫懐ス」〔楚辞〕


5)【貘】の絵を描いてお守りにする。

【バク】=想像上の動物。銅・鉄を食い、また、人の悪夢を食うという。


6) 注文と【涓埃】も違わぬ出来である。

【ケンアイ】=物事のほんのわずかなことのたとえ。
「涓」の読みは「ケン、しずく」。他の熟語は、
【涓涓】(ケンケン ) 水がちょろちょろと流れるさま。「泉涓涓而始流=泉ハ涓涓トシテ始メテ流ル」〔陶潜〕
【涓流】(ケンリュウ ) 小さい流れ。細流。
【涓滴】(ケンテキ ) したたり。しずく。「重露成涓滴=重露涓滴ヲ成ス」〔杜甫〕
【涓潔】(ケンケツ ) 清くてさっぱりしている。

辞書p420 「涓」 p5







 


7) 深窓に育って【笄年】に及んだ。

【ケイネン】=〈故事〉はじめて笄(コウガイ)をさす年。女の十五歳のこと。
 
「笄」の読みは「ケイ、こうがい」。「昔、女は十五歳になると婚約者をきめ、髪に笄をさし、字(アザナ)をつけた。婚約しないときは二十歳になってからこの成年式を行う」のだそうだ。他の熟語は、

【笄冠】(ケイカン ) 笄(コウガイ)と冠。男女ともに成人の礼をあげること。
【及笄】(キュウケイ) 〈故事〉女が笄(コウガイ)(かんざし)をする年齢(十五歳)になる。
【冠笄】(カンケイ ) 男女の成人式。男は二十歳で元服して冠をつけ、女は十五歳で笄(コウガイ)をさす礼。〔礼記〕
【加笄】(カケイ) 〈故事〉女子の十五歳のこと。また、二十歳のこと。女子は十五歳になると許嫁(キョカ)(結婚の約束)をして笄(コウガイ)をさすことから女子の十五歳をいう。また、許嫁しなくても、二十歳になると笄をさしたから、女子の二十歳をもいう。

今日の問題は何とか読めました。ところで「笄年」のついでに「元服」を日本国語辞典で調べてみると、

げんぶく 【元服】(現代は多く「げんぷく」。「元」は頭(かしら)・首(こうべ)、「服」は身につけることの意)

古代中国の風習を模して行なわれた男子成人の儀式。
 年齢は一定しないが、平安時代以降では一二歳頃から一五、六歳までの間に行なわれる場合が多い。
 公家 では、子どもの髪型である総角(あげまき)をやめて初めて冠(かんむり)をかぶり、児童の服の闕腋(けってき)から大人の服の縫腋(ほうえき)に変え、幼 名を改め、貴人が理髪と加冠の役に当たった。武家では、冠の代わりに烏帽子(えぼし)が用いられ、「烏帽子始め」の儀を行ない、加冠役を「烏帽子親」、冠 者を「烏帽子子」といい、その儀式は公家の場合に準ずる。室町中期以後、貴人の他は略式となり、前髪、月代(さかやき)をそり落とし、服の袖留めをするだ けになった。
 のち、この風は庶民にも及んだ。初冠(ういこうぶり)。初元結(はつもとゆい)。

女子成人の儀式。一二、三歳から一六歳頃までに行なわれ、初めは「髪上げ」の儀だけが行なわれたが、それに「裳着(もぎ)」が加わり、貴人や親戚の長者が裳(も)の腰紐を結ぶ役をつとめた。
 江戸時代では、服装の変化により、袖留めの式に変わった。

江戸時代、結婚した女性が、眉をそり、お歯黒をし、髪型を丸髷(まるまげ)にかえることをいう。
 お歯黒だけをつけるのを半元服、眉までそるのを本元服というが、本元服は、懐妊または分娩の後に行なうのをふつうとする。

へえー、もとは「げんぶく」と濁音だったんだ!しかも中国の風習を真似ている!年齢は日本の方が早いのかな。
とにかく中国の影響はやはり大きいことを再認識した。













8)夜半に【瑟瑟】たる松風を聞く。

【シツシツ】=風のさっさっと吹くさま。(①風が冷たく寂しげに吹くさま。②波のたつ様(漢検漢字辞典))
 


 瑟」の読みは「シツ、おおごと」。大きな琴の意味がある。



9)執拗な【推鞫】にあった。

【スイキク】=罪人を取り調べること。

「鞫」の読みは「キク、ただす」。他の熟語は、
【鞫治】(キクチ ) 罪をただし調べる。〈同義語〉鞠治。
【鞫訊】(キクジン ) 罪人を問いつめてとり調べる。〈同義語〉鞠訊。
【鞫断】(キクダン ) 罪人を問いつめて罪を決める。〈同義語〉鞠断。
【鞫獄】(キクゴク ) 罪を調べあげて、さばきをつける。〈同義語〉鞠獄。

辞書p290

10)【螽斯】の化を享受する。

【シュウシ】=いなご、または、きりぎりす。
「螽」の読みは「シュウ、いなご」。
「螽斯」は音読みで「シュウシ」、当て字で「きりぎりす」と読む。(漢検漢字辞典)
要するに、いなご?きりぎりす?どっちでもいい?全部正解か・・・

「螽斯の化()=子孫が繁栄することのたとえ。(日本国語大辞典)
*太平記〔14C後〕「螽斯(シウシ)の化(クヮ)行はれて、皇后、元妃の外、君恩に誇る官女、甚だ多かりければ」

今回は「推鞫」の読みが難しかったです。


この記事は新潟漢字同好会様のブログを参考に作りました
http://nkd-dogu.blogspot.jp

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